イサキの絶品レシピ7選|刺身・塩焼き・煮付けで旬を味わう

釣りビトレシピ

5月のイサキがうまい。これは迷信でも思い込みでもなく、科学的な裏付けがある。イサキは産卵前の5月から6月にかけて、体内に脂肪を蓄える。この時期の脂質含有量は10%を超え、マアジの約2倍。身質は白身魚とは思えないほど濃厚で、刺身にすれば甘みと旨味が口いっぱいに広がる。先日、伊豆半島の網代沖で釣ったイサキを持ち帰り、8種類のイサキ レシピを試した。刺身、塩焼き、煮付けといった定番から、イタリアンまで。どれも釣った日の夜に作れる実用レシピばかりだ。25cmから30cm程度の小型でも十分においしく、40cmオーバーの大型なら刺身の厚みが格別。クーラーボックスに氷を詰めて持ち帰れば、釣り場から2時間後にはまな板の上だ。

釣ったイサキのさば方|鱗と血合いが勝負

イサキのさばき方は、鱗処理が最大の難関。青物と違い、鱗が硬く細かい。流しで鱗を引くと、飛び散った鱗が排水口を詰まらせる。ビニール袋に魚を入れて鱗引きを使うか、新聞紙を敷いた上で作業するのが正解だ。

まず鱗を引く。尾から頭に向かって、包丁の背でこそぐように引く。腹側と背側だけでなく、エラ蓋の周辺と腹ビレの付け根は特に念入りに。鱗が残ると食感が台無しになる。水で洗い流したら、指先で触って確認。ザラつきが残っていたらもう一度引き直す。

次にエラと内臓を取る。胸ビレの後ろから斜めに包丁を入れ、頭を落とす。腹を肛門から頭側に向けて裂き、内臓を取り出す。ここで重要なのが血合いの処理。背骨に沿って血合いがあるので、包丁の先端か歯ブラシで丁寧にこすり落とす。この作業を怠ると、生臭さが残る。

三枚おろしは通常の白身魚と同じ。背側から包丁を入れ、中骨に沿って身を切り離す。裏返して同様に。腹骨をすき取り、血合い骨は骨抜きで引く。イサキの血合い骨は細くて抜きにくいが、指で身を押さえながら引けば、折れずに抜ける。皮を引くかどうかはレシピ次第だが、刺身なら皮目を炙ると香ばしさが出る。

イサキの刺身|皮目を炙って旨味を引き出す

1. イサキの炙り刺身

イサキ レシピの王道は刺身。だが、ただ切るだけではもったいない。皮目を炙ることで脂が溶け、香ばしさと甘みが倍増する。伊豆の料理屋で食べた炙り刺身が忘れられず、自宅で再現した。

【材料(2人分)】

  • イサキ(三枚おろし・皮付き): 1尾分(約200g)
  • 大葉: 4枚
  • 刻みネギ: 10g
  • おろし生姜: 5g
  • 醤油: 適量
  • すだち: 1個

【作り方】

  1. 三枚におろしたイサキの腹骨をすき取り、血合い骨を骨抜きで引く。皮は付けたまま。
  2. バットに氷水を用意しておく。
  3. ガスバーナーまたは魚焼きグリルで皮目を炙る。バーナーなら強火で10秒、皮が縮んで香ばしい匂いが立つまで。グリルなら強火で30秒、皮目だけを焼く。
  4. 炙ったらすぐに氷水に10秒浸けて冷やす。こうすると身が締まり、皮と身の間の脂が固まって旨味が閉じ込められる。
  5. キッチンペーパーで水気を拭き取り、1cm幅のそぎ切りにする。包丁は手前に引きながら、一気に切る。
  6. 皿に大葉を敷き、刺身を盛り付ける。刻みネギとおろし生姜を添え、すだちを絞って醤油で食べる。

【プロのコツ】

炙った後の氷水が勝負。冷やすことで皮と身の間のゼラチン質が固まり、食感にメリハリが生まれる。バーナーがない場合、金串を3本束ねてガスコンロで真っ赤になるまで熱し、皮目に押し当てる方法もある。ただしこの方法だと焼きムラができやすいので、串を何度も熱し直しながら全体均一に炙る。醤油は薄口よりも濃口が合う。イサキの脂に負けない濃さが必要だ。

2. イサキのカルパッチョ

洋風のイサキ レシピも捨てがたい。オリーブオイルと柑橘の酸味がイサキの脂と絡み合い、白ワインが止まらなくなる。三浦半島の某所で釣った35cmのイサキで作ったところ、家族に大好評だった。

【材料(2人分)】

  • イサキ(三枚おろし・皮なし): 1尾分(約180g)
  • ベビーリーフ: 30g
  • ミニトマト: 6個
  • 紫玉ねぎ: 1/4個(約40g)
  • エクストラバージンオリーブオイル: 大さじ3
  • レモン汁: 大さじ1
  • 塩: 小さじ1/2
  • 黒胡椒: 適量
  • ケッパー: 10粒

【作り方】

  1. イサキは皮を引き、3mm厚のそぎ切りにする。薄すぎると身が崩れるので、包丁の角度は30度程度。
  2. 紫玉ねぎは繊維に沿って薄切りにし、水に5分さらして辛味を抜く。ザルに上げて水気を切る。
  3. ミニトマトは半分に切る。
  4. 皿にベビーリーフを敷き、その上にイサキの刺身を並べる。重ならないように、少しずつずらして並べと見栄えがいい。
  5. 紫玉ねぎ、ミニトマト、ケッパーを散らす。
  6. オリーブオイル、レモン汁、塩を混ぜ合わせ、全体に回しかける。黒胡椒を挽いて完成。

【プロのコツ】

刺身を切ってから10分以内に食べること。時間が経つと身から水分が出て、ドリップがソースを薄める。オリーブオイルは高品質なものを使う。安物の油臭いオイルだとイサキの繊細な味が台無しになる。ケッパーの塩気と酸味がアクセントになるが、なければオリーブの実でも代用できる。前日に釣ったイサキより、当日釣ったイサキの方がこのレシピには向く。身の弾力が違う。

イサキの焼き物|皮目をパリッと仕上げる

3. イサキの塩焼き

シンプルだが奥深い。イサキ 塩焼きは、魚の鮮度と焼き方の技術が全て現れる。外はパリッと、中はふっくら。この状態を作るには、火加減と焼き時間のコントロールが必須だ。

【材料(2人分)】

  • イサキ: 2尾(各25cm〜30cm、約250g)
  • 塩: 小さじ2
  • 大根おろし: 100g
  • すだち: 2個

【作り方】

  1. イサキは鱗とエラ、内臓を取り除き、流水で腹の中までよく洗う。キッチンペーパーで水気を拭き取る。
  2. 両面に塩を振る。表側(盛り付けたときに上になる側)には多めに、裏側には控えめに。魚から20cm離した位置から、指先でつまんだ塩をパラパラと落とす。この振り方を「化粧塩」と呼ぶ。
  3. ヒレに「飾り塩」をする。ヒレ全体に塩をまぶすことで、焼いたときに焦げずに美しく仕上がる。
  4. 15分置いて塩を馴染ませる。表面に水分が浮いてきたら、キッチンペーパーで拭き取る。
  5. 魚焼きグリルを強火で3分予熱する。
  6. 表側を上にして焼く。強火で最初の3分、その後中火に落として5分。途中で火加減を変えることで、皮がパリッとしながら身が焦げない。
  7. 裏返して中火で5分焼く。竹串を刺して透明な汁が出れば焼き上がり。
  8. 大根おろしとすだちを添えて盛り付ける。

【プロのコツ】

「強火の遠火」という言葉がある。理想は炭火だが、家庭用グリルなら強火で予熱してから魚を入れ、すぐに中火に落とすことで近い効果が得らる。裏返すのは一度だけ。何度もひっくり返すと身が崩れる。グリルの網に魚がくっつくのを防ぐには、網にサラダ油を薄く塗っておく。先日、静岡県沼津市の戸田漁港近くで釣った40cmのイサキで試したが、脂が滴り落ちて火柱が立つほどだった。5月のイサキは本当に脂が乗っている。

4. イサキの幽庵焼き

醤油ベースの漬けダレで焼く料理。柚子の香りとイサキの脂が絶妙に調和する。前日に漬け込んでおけば、翌日の夕食が楽になる。釣行翌日の仕事帰りでも作れるイサキ レシピだ。

【材料(2人分)】

  • イサキ(三枚おろし): 1尾分(約200g)
  • 醤油: 大さじ3
  • みりん: 大さじ3
  • 酒: 大さじ3
  • 柚子の輪切り: 3枚(または柚子果汁大さじ1)

【作り方】

  1. 醤油、みりん、酒をバットに入れて混ぜ合わせる。柚子の輪切りを加える。
  2. 三枚におろしたイサキを食べやすい大きさに切る。一切れ約60g程度。
  3. バットにイサキを並べ、タレに漬ける。ラップをして冷蔵庫で3時間から一晩寝かせる。途中で一度上下を返すと、ムラなく味が染みる。
  4. グリルを中火で予熱し、網にサラダ油を薄く塗る。
  5. イサキをタレから取り出し、キッチンペーパーで軽く表面を押さえる。タレが多く付いたまま焼くと焦げやすい。
  6. 皮目を上にして網に並べ、中火で4分焼く。表面に焼き色がついたら裏返し、さらに3分焼く。
  7. 器に盛り付け、柚子の輪切りを添えて完成。

【プロのコツ】漬けダレは1:1:1の黄金比率。みりんと酒は一度鍋で煮切ってアルコールを飛ばすと、味がまろやかになる。柚子がない季節はすだちやレモンでも代用できるが、柚子の香りには独特の奥行きがある。漬け込み時間は3時間が最低ライン。一晩漬けると身の中まで味が染み込み、冷めても美味い。ただし2日以上漬けると塩辛くなるで注意。焼くときはタレを拭き取りすぎないこと。適度に残すことで照りが出る。グリルの火力が強すぎると表面だけ焦げて中が生焼けになるので、必ず中火をキープ。焼いている最中に残ったタレを刷毛で塗ると、さらに照りと香ばしさが増す。

5. イサキのアクアパッツァ

イタリア料理の定番。イサキの旨味がスープに溶け出し、トマトとオリーブの風味が加わる。一皿で魚も野菜も摂れる。見た目も華やかで、釣った魚を家族に振る舞うときに喜ばれるイサキ レシピだ。

【材料(2人分)】

  • イサキ(内臓とウロコを除去したもの): 1尾(約400g)
  • ミニトマト: 10個(約150g)
  • 黒オリーブ(種なし): 8個
  • ニンニク: 2片
  • 白ワイン: 100ml
  • 水: 100ml
  • オリーブオイル: 大さじ3
  • 塩: 小さじ1/2
  • 黒コショウ: 少々
  • イタリアンパセリ: 適量

【作り方】

  1. イサキは内臓とウロコを取り除き、流水で洗う。水気をペーパーで拭き取り、両面に塩少々(分量外)を振って10分置く。
  2. ミニトマトは半分に切。ニンニクは薄切りにする。イタリアンパセリは粗みじん切り。
  3. フライパンにオリーブオイル大さじ2とニンニクを入れ、弱火で香りを出す。ニンニクが色づき始めたら取り出す。
  4. 同じフライパンを中火にし、イサキを入れる。両面に焼き色をつける。片面3分ずつが目安。
  5. 白ワインと水を加え、ミニトマト、黒オリーブ、取り出したニンニクを入れる。塩と黒コショウで味を調える。
  6. 蓋をして中火で8分煮る。途中でスープをスプーンでイサキにかけながら煮ると、身がパサつかない。
  7. 器に盛り付け、イタリアンパセリを散らし、残りのオリーブオイル大さじ1を回しかけて完成。

【プロのコツ】イサキは丸ごと使うことで、骨から出る旨味がスープに溶け出す。ただし小さいイサキ(25cm以下)なら2尾使うと見栄えがいい。ニンニクは焦がさないこと。焦げると苦味が全体に回る。白ワインは辛口を使う。甘口だと味がぼやける。水の代わりに魚のアラで取った出汁を使うと、さらに濃厚になる。ミニトマトは加熱すると酸味が飛んで甘味が増すので、少し多めに入れても問題ない。煮込む時間は8分厳守。それ以上煮ると身がパサつく。スープが煮詰まりすぎたら水を足して調整。パンを添えてスープに浸して食べると、最後の一滴まで楽しめる。

6. イサキの南蛮漬け

揚げたイサキを甘酢に漬ける料理。冷蔵庫で3日ほど保存が効くので、釣果が多いときに重宝する。酢の効果で骨まで柔らかくなり、小型のイサキでも丸ごと食べられる。

【材料(2人分)】

  • イサキ(小型または三枚おろし): 2尾分(約300g)
  • 玉ねぎ: 1/2個(約100g)
  • 人参: 1/3本(約50g)
  • ピーマン: 1個
  • 片栗粉: 大さじ3
  • 揚げ油: 適量

【南蛮酢】

  • 酢: 100ml
  • 醤油: 大さじ3
  • 砂糖: 大さじ3
  • みりん: 大さじ2
  • 水: 50ml
  • 鷹の爪(輪切り): 1本分

【作り方】

  1. 南蛮酢の材料をすべて鍋に入れ、中火で煮立たせる。砂糖が溶けたら火を止め、粗熱を取る。
  2. 玉ねぎは薄切り、人参は細切り、ピーマンは細切りにする。南蛮酢に野菜を入れておく。
  3. イサキは三枚におろし、一口大に切る。小型なら頭と内臓を取り、筒切りでも可。
  4. イサキの水気をペーパーで拭き取り、片栗粉をまぶす。
  5. 揚げ油を170℃に熱し、イサキを入れる。4分ほど揚げて、表面がカリッとしたら油を切る。
  6. 熱いうちに南蛮酢に漬け込む。落とし蓋をして、粗熱が取れたら冷蔵庫で半日以上寝かせる。

【プロのコツ】南蛮酢は必ず一度煮立たせること。生の酢だと角が立ちすぎる。砂糖の量は好みで調整可能だが、大さじ3が甘すぎず酸っぱすぎずのバランス。野菜は南蛮酢に先に漬けておくと、味が馴染む。イサキは揚げたてを熱いまま漬けるのが鉄則。冷めてから漬けると味の染み込みが悪い。小型のイサキを筒切りで使う場合は、揚げ時間を6分に延ばすと骨まで食べられる。170℃の油温をキープするには、一度に大量に入れないこと。鷹の爪は辛さの調整に使うが、子供がいる家庭では抜いても問題ない。冷蔵庫で寝かせる時間は最低でも半日。一晩置くと味が深まる。

7. イサキの味噌汁

アラや中骨を使った汁物。捨てる部分がないのが釣り人の美学だ。イサキの出汁が効いた味噌汁は、朝食にも夜食にも合う。身をほぐして食べると、意外なほど肉が残っている。

【材料(2人分)】

  • イサキのアラ(頭・中骨・尾): 1尾分(約150g)
  • 水: 600ml
  • 味噌: 大さじ2
  • 長ねぎ: 1/2本(約50g)
  • 生姜: 1片(約10g)
  • 酒: 大さじ1

【作り方】

  1. イサキのアラは流水で血合いをよく洗い流す。ボウルに入れ、熱湯を回しかけて霜降りにする。臭みを取る下処理だ。
  2. 鍋に水600mlとアラを入れ、生姜の薄切り、酒を加えて中火にかける。
  3. 沸騰したらアクを丁寧にすくい取る。弱火にして15分ほど煮る。
  4. 長ねぎは斜め切りにし、鍋に加える。さらに2分煮る。
  5. 火を止めて味噌を溶き入れる。味噌は煮立たせると風味が飛ぶので、溶かしたら火を止める。
  6. 器に盛り付け、アラについた身を箸でほぐしながら食べる。

【プロのコツ】霜降りは絶対に省略しないこと。この工程で臭みの8割が消える。熱湯をかけた後、冷水に取って表面のヌメリをこすり落とすと、さらに臭みが減る。アクはこまめに取る。放置すると雑味が出る。煮込み時間は15分が目安だが、大型のイサキなら20分まで延ばしてもいい。出汁が濃く出る。長ねぎは煮すぎると溶けてしまうので、最後に加える。生姜は臭み消しと体を温める効果がある。寒い時期の釣行後に飲むと、冷えた体が芯から温まる。味噌の種類は白味噌でも赤味噌でも合うが、合わせ味噌が万能。アラから取れる身は意外と多いので、骨に注意しながら丁寧にほぐして食べる。

釣り人だけが知るイサキの美味しさ

スーパーで売られているイサキと、自分で釣ったイサキは別物だ。鮮度が違う。脂の乗りが違う。そして何より、自分で釣った魚を食べる満足感が違う。今回紹介した8つのイサキ レシピは、どれも釣りたての新鮮なイサキだからこそ美味しく仕上がる。次の釣行で良型のイサキが釣れたら、ぜひこれらの料理を試してほしい。釣って楽しい、食べて美味しい。イサキはそんな魚だ。

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