5月のマダイ釣り|乗っ込み終盤の攻略法とタイラバ・テンヤの使い分け

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5月の海は、マダイ釣り師にとって特別な季節です。産卵を控えた大型個体が浅場に差してくる「乗っ込み」シーズンの終盤にあたり、この時期ならではの釣り方を知っているかどうかで、釣果に大きな差が生まれます。今回は、5月のマダイ釣りにおける攻略法と、タイラバとテンヤの効果的な使い分けについて、実践的な視点からお伝えしていきます。

5月のマダイの生態と行動パターン

5月のマダイは、3月下旬から始まった乗っ込みの終盤戦を迎えています。水温が15〜18度に上昇するこの時期、産卵を終えた個体と、これから産卵に向かう個体が混在する状況となります。東京湾では水深20〜40m、明石海峡周辺では30〜50m、玄界灘では25〜45mといった比較的浅い海域で、活発な捕食行動が見られます。

乗っ込み終盤のマダイは、産卵前の荒食いほどの爆発力はないものの、体力回復のために積極的にエサを追う個体が多くなります。特に5月中旬以降は、産卵後の「戻りダイ」と呼ばれる個体が増え、これらは空腹状態にあるため、口を使いやすい傾向があります。

潮の動きに敏感なのもこの時期の特徴です。大潮から中潮にかけての潮が動くタイミング、特に朝マズメの上げ潮と夕マズメの下げ潮は、ゴールデンタイムとして狙い目となります。逆に、潮止まりの時間帯は極端に活性が落ちることも珍しくありません。

タイラバで狙う5月のマダイ

タイラバが有効なシチュエーション

タイラバは、広範囲を効率的に探れる点が最大の強みです。5月のマダイは、乗っ込み期に比べて群れが散らばりやすく、ポイントを絞り込むまでに時間がかかることがあります。そんな状況下では、タイラバの「巻いて落とす」というシンプルな動作が、魚を見つけ出すための強力な武器となります。

また、ベイトフィッシュを追っている活性の高いマダイには、タイラバのリアクション要素が効果的です。イワシやコウナゴなどの小魚が回遊している海域では、タイラバへの反応が良好になりやすいと感じています。

5月に効くタイラバのセッティング

ヘッドの重さは、水深と潮流に応じて選択します。水深30m前後で潮が緩い場合は45〜60g、潮が速い場合は80〜100gを基準にしてください。水深50mを超える海域では、100〜150gが必要になることもあります。

ヘッドのカラーについては、5月は水中の透明度が上がりやすい時期のため、オレンジ、レッド、ゴールドといった定番カラーに加えて、グリーンやチャート系も試す価値があります。曇天や濁りがある日はオレンジやレッド、晴天でクリアな水質ではグリーンやゴールドが実績を上げています。

ネクタイは、ストレートタイプとカーリータイプを状況に応じて使い分けます。潮が速いときはストレートのシンプルな動きが効果的で、潮が緩いときはカーリータイプの複雑な動きでアピールするのが基本的な考え方です。長さは標準的な10cm前後を基準に、渋いときは13〜15cmのロングタイプ、活性が高いときは7〜8cmのショートタイプへとローテーションします。

タイラバの巻き速度とアクション

5月のマダイを狙う際の巻き速度は、1秒間にハンドル1回転を基準とします。これはリールのギア比にもよりますが、ラインの回収速度でいえば60〜70cm/秒程度となります。活性が高いときは、やや速めの1秒間に1.2〜1.5回転で反応が良くなることもありますが、基本はゆっくり一定の速度を維持することを意識してください。

着底後、すぐに巻き上げを開始するのがセオリーですが、5月の産卵後の個体は底付近でじっとしていることが多いため、着底から2〜3秒のポーズを入れてから巻き始めるテクニックも有効です。この「底ベタ攻略」は、乗っ込み終盤ならではの引き出しとして覚えておくといいでしょう。

巻き上げる高さについては、底から15〜20mまでを基本レンジとしますが、ベイトが浮いている状況では30m以上巻き上げてヒットすることもあります。魚群探知機の反応を見ながら、その日のマダイの泳層を把握することが釣果アップへの近道です。

おすすめのタイラバタックル

ロッドは、6.5〜7フィートの乗せ調子タイプが扱いやすいでしょう。シマノの炎月BB B69M-Sやダイワの紅牙X 69MHB-Sなど、実売1万円台のモデルでも十分な性能を持っています。より繊細なアタリを取りたい方には、ジャッカルのビンビンスティック BSC-70M-STなどの専用設計ロッドがおすすめです。

リールは、PEライン0.8〜1号を200m以上巻けるベイトリールを選びます。シマノのグラップラー150HGやダイワのティエラA IC 150Hなどは、カウンター付きで水深管理がしやすく、タイラバ入門者にも扱いやすいモデルです。ギア比はハイギア(6.0以上)が、手返しの良さと巻き速度の調整しやすさの両面で使い勝手が良いです。

ラインシステムは、PE0.8〜1号に、フロロカーボン3〜4号のリーダーを3〜5m接続します。リーダーの結束はFGノットが強度と結び目の細さの両面で優れていますが、慣れていない方は簡単なSCノットでも問題ありません。

テンヤで狙う5月のマダイ

テンヤが有効なシチュエーション

一つテンヤは、エビという自然なエサを使うため、タイラバに比べて食い渋り時に強いという特徴があります。5月の乗っ込み終盤、特に産卵後で体力を消耗したマダイは、派手なルアーよりもナチュラルなエビエサに反応することが多く、テンヤの出番となります。

また、浅場で神経質になっているマダイにも、テンヤの繊細な誘いが効果的です。水深10〜25mの岩礁帯や砂地混じりの根周りでは、テンヤのフォールアクションとステイが、マダイの捕食本能を刺激します。

5月のテンヤセッティング

テンヤの重さは、水深10m以浅で3〜5号、20m前後で6〜8号、30m以深で10〜15号を基準に、潮の速さに応じて調整します。5月は比較的潮が緩い日が多いため、軽めのテンヤでナチュラルなフォールを演出できる機会が増えます。

カラーセレクトは、テンヤヘッドの色よりも、エサのエビの状態の方が重要です。テンヤヘッドはゴールド、オレンジ、ピンクなどの定番カラーを2〜3種類用意しておけば十分でしょう。濁りが入っているときはゴールドやオレンジ、クリアな水質ではピンクやナチュラル系が実績のあるカラーです。

エサとなるエビは、冷凍の芝エビか活きエビを使用します。活きエビの方が食いは良いですが、手に入りにくい地域もあるため、冷凍エビでも十分に釣果は出せます。冷凍エビを使う場合は、前日から冷蔵庫で解凍し、当日の朝に塩を振って身を締めておくと、エサ持ちが良くなります。

テンヤの誘い方とアワセ

テンヤの基本的な誘い方は、着底後にロッドを2〜3回シャクり、その後テンションフォールで再び底を取るという動作の繰り返しです。シャクリの幅は50cm〜1m程度で、リズムよく行います。シャクリの後は、ラインテンションを保ちながらゆっくりとテンヤを落としていくイメージです。

5月のマダイはフォール中にバイトしてくることが多いため、テンションフォール時のラインの動きには細心の注意を払います。ラインがふっと緩んだり、逆にスーッと走ったりする微妙な変化がアタリのサインです。

アワセについては、即アワセは禁物です。マダイはエサを吸い込んでから反転する習性があるため、アタリを感じたら一呼吸置いて、竿先が引き込まれるのを確認してから大きくアワセを入れます。早アワセでバラす失敗は、テンヤ初心者が最も経験しやすいミスの一つです。

おすすめのテンヤタックル

ロッドは、7〜8フィートのスピニングロッドを使用します。ダイワの紅牙テンヤゲームAGS 82Mやシマノの炎月一つテンヤマダイスペシャル240MHなどは、感度と操作性のバランスに優れた人気モデルです。入門者には、メジャークラフトの三代目クロステージ CRX-S782MLテンヤマダイなど、1万円台のモデルでも十分に楽しめます。

リールは、2500〜3000番のスピニングリールを組み合わせます。シマノのストラディック 3000MHGやダイワのカルディアLT 3000-CXHなどは、軽量かつドラグ性能も高く、テンヤマダイに適しています。ドラグ設定は、600g〜800g程度の引っ張り力で滑り出すように調整しておくと、急な突っ込みにも対応できます。

ラインは、PE0.6〜0.8号をメインに、フロロカーボン2〜2.5号のリーダーを2〜3m接続します。テンヤはフォールの釣りが主体となるため、タイラバよりもやや細めのラインシステムで繊細な操作を可能にします。

タイラバとテンヤの使い分け

ポイントの水深による使い分け

水深による使い分けを考えると、一般的には水深40m以浅ではテンヤ、40m以深ではタイラバが効率的とされています。これは、テンヤの軽いウェイトでは深場で底が取りにくくなること、また深場ではタイラバの手返しの良さが活きることが理由です。

ただし、これはあくまで目安であり、水深30mでもタイラバが有効な場面は多くあります。特に、潮が速いポイントや、マダイが広範囲に散っている状況では、水深に関わらずタイラバで広く探る方が効率的です。

マダイの活性による使い分け

マダイの活性が高いとき、具体的にはベイトを追って中層まで浮いている状況や、朝夕のマズメ時には、タイラバのリアクション要素が威力を発揮します。巻き上げてくるタイラバに対して、追いかけてきてバイトするような積極的な反応が見られることも珍しくありません。

逆に、活性が低いとき、例えば潮止まり前後や、日中の時間帯には、テンヤのナチュラルなエビエサが有効になります。底付近でじっとしているマダイの目の前に、自然なフォールでエビを落とし込むイメージで誘うと、思わぬ良型が口を使ってくることがあります。

同船者の釣り方による使い分け

乗合船での釣りの場合、周りの状況を見ながら使い分けることも一つの戦略です。多くの人がタイラバを使っている場合は、あえてテンヤで別のアプローチを試すことで、スレていない個体を狙える可能性があります。逆もまた然りで、テンヤ主体の船でタイラバを投入することで、異なる反応を引き出せることがあります。

一日の中での使い分け

実践的な一日の流れとしては、朝マズメの活性が高い時間帯はタイラバで広く探り、潮止まり前後の食い渋り時間帯はテンヤに切り替え、夕マズメに再びタイラバで攻めるというローテーションが効果的です。両方のタックルを用意しておくことで、その日の状況に柔軟に対応できます。

5月のマダイ釣り エリア別攻略ポイント

東京湾

東京湾では、5月は久里浜沖から剣崎沖にかけてのエリアが好調となります。水深20〜40mの砂泥底に点在する根周りを、タイラバで流していくスタイルが主流です。潮の流れが速い日が多いため、80〜100gのヘッドを用意しておくと安心です。横浜や川崎から出船する遊漁船では、この時期に乗っ込みマダイの最終便として人気を集めます。

明石海峡・鳴門海峡

明石や鳴門といった潮流の速いエリアでは、5月中旬以降になると乗っ込みマダイの終盤戦が楽しめます。水深30〜60mの岩礁帯を攻めることが多く、タイラバは100〜200gという重めのヘッドが必要になります。潮が走るタイミングでは、タイラバを潮に乗せてドリフトさせながら誘うテクニックが効果的です。

瀬戸内海

瀬戸内海の島々周辺では、5月は比較的浅場でのテンヤ釣りが面白い時期です。水深15〜30mの藻場混じりのエリアで、活きエビを使ったテンヤで狙う釣りは、繊細なアタリを取る楽しさがあります。岡山や広島から出船する遊漁船では、この時期にテンヤマダイの乗合を出していることが多いです。

玄界灘

玄界灘は、5月が乗っ込みの最盛期から終盤にかけてとなり、年間を通じて最も大型が期待できる時期です。水深25〜50mの砂地や根周りを、タイラバとテンヤの両方で攻略します。この海域は潮流が複雑で、同じポイントでも潮のタイミングによって釣果が大きく変わるため、船長の指示に従いながら、こまめにウェイトやカラーを調整することが釣果アップのコツです。

5月のマダイ釣りを成功させるための心構え

乗っ込み終盤の5月は、爆発的な釣果こそ期待しにくいものの、コンスタントに良型を狙えるチャンスがあります。焦らず、その日の状況を見極めながら、タイラバとテンヤを使い分けることで、安定した釣果を上げることができるでしょう。

また、この時期は天候が安定しやすく、海上での釣りが快適に楽しめる季節でもあります。防寒着は念のため持参しつつも、日焼け対策の方が重要になってきます。帽子、サングラス、日焼け止めは必携です。

最後に、マダイは資源保護の観点から、小型のリリースにご協力ください。多くの海域で30cm以下のマダイはリリースが推奨されています。次の世代にも豊かな海を残すため、釣り人一人一人の意識が求められています。

5月の海で、皆さんが素晴らしいマダイとの出会いを経験されることを願っています。タイラバとテンヤ、両方の引き出しを持って、乗っ込み終盤のマダイ釣りを存分に楽しんでください。

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